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なぜ日本はトランプを見くびってしまったのか?


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トランプさん、当選しちゃいましたね。いやー、ビックリですよ。

今年の9月に「日本人が思っているほどトランプはバカじゃない」という記事を書きました。

日本の報道があまりにもトランプの過激な発言ばかりあげつらう報道が多くて、本質を突いていないことに警鐘を鳴らす意味も込めて書いたのですが、まさか当選するとは思いませんでしたね。

とは言ってもアメリカではヒラリーとの差が2ポイント以内まで迫っていましたから、日本よりは「トランプ大統領」が誕生する可能性を認識していたと思います。

にも関わらず、日本にいるアメリカ人タレントや、アメリカ人を友人に持つ日本人は口々に「誰もトランプを支持していない」「私の友人・知人にトランプ支持者はいないのに?」と言っています。

まるで「一体どこにトランプ支持者がいるって言うんだ!?」と言わんばかり。支持者がいるから当選するんでしょうが。(笑)

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海外にいるアメリカ人は基本リベラル

アメリカ人のパスポート所有率は20%強で、海外に出たことがあるアメリカ人は4人に1人です。

特にアメリカのような先進国で海外に出て行く人は、総じて知的好奇心が高く学歴も高い人が多いです。まぁ就労許可を取るには学歴が必要なので当たり前といえばそうなんですが。

で、高学歴な人ほど国内需要だけでは経済が発展しないという、世界経済では当たり前のことを知っています。国の経済にとって外交や貿易が重要であることを認識しています。

それ故、他国と協調していかなきゃならないのにそれに逆行するトランプは支持できないんですね。(ヒラリーの政策に共感しているからヒラリー支持というわけではない、ということに注意)

つまり、日本にいるアメリカ人タレントは皆総じて高学歴であり、彼らの友人知人も大体似た属性なので、みんな「ヒラリー支持」なわけです。

テンプル大学日本校にいるアメリカ人留学生?もほとんどがヒラリー支持だったことからみても、高学歴者にはヒラリー支持が多いことが伺えます。まぁ大体どこの国の大学生もリベラルな気風が多いので妥当な結果だと思います。

インタビューでは1人だけトランプ支持の学生が映ってました。

「友人のアメリカ人はみんなヒラリー支持なのに…」というのも同じ理由

日本人のツイッターやブログを見ると、

「友人のアメリカ人はみんな信じられないって言ってる」
「友達はみんなヒラリー支持なのに」
「友人にトランプを支持している人がいないのになぜ?」

という声が非常に多く目に付きました。

そりゃそうですよね、上で説明したように、国際的な友人関係を持つ人は大体が高学歴です。

彼らの友人は、留学したときの友達だったり、外資系企業や海外取引上のつきあいだったりと、アメリカでも高学歴、高収入のミドルアッパー層が多いと思います。

そもそも、中西部の農家やデトロイトの工場勤めのアメリカ人と知り合いになる日本人は少ないわけで、彼らの声がSNSを通じて日本人の耳に入ることはほとんどありません。

結局、日本のメディアはアメリカの大手メディアの情報を垂れ流しにしていただけ

日本のキー局はワシントンに駐在員を常駐させてアメリカの政治動向を常に注視していますが、今回の大統領選の報道に関しては、ほぼ現地メディアの報道する内容を単に和訳して伝えるだけで、独自の情報ソースや分析などがほとんどありませんでした。

せいぜいワシントン支局長が、現地メディアの報道する熱気を多少伝えるだけで、この程度であればインターネットでUSA TODAYとNY Times, Wall Street Journalを読めばわかる情報です。

アメリカの大手メディアはリベラルなので民主党支持です。当然、報道もヒラリー寄りです。

日本の大手メディアはその報道をそのまま和訳して日本に流していたのですから、トランプの正確な分析情報など入ってくるはずがありません。

トランプの放つ言葉の影響力を正確に分析し、トランプ当選を予言していたのは元フジテレビアナウンサーの木村太郎氏だけでした。

保護主義を貫けばアメリカは衰退する

このボーダーレス経済の中で、アメリカだけが保護主義に向かえば確実に経済が停滞します。

「アメリカ第一主義」で不法移民を締め出せば、農作物の価格が高騰して外国産との競争に敗れるでしょうし、一度海外に出て行った生産工場を無理矢理国内に戻しても価格競争力で劣ってしまいます。

水が高いところから低いところに流れるように、生産活動は賃金の高いところから低いところに流れていくのはボーダーレス経済下では当たり前のことです。

賃金の低いところから高いところに生産工場が流れるとしたら、付加価値の高いモノを作る以外あり得ません。

つまり、保護主義に向かったところで彼ら中間層の不満は何も解決しないのです。

アメリカに必要なのは、儲からない産業から儲かる産業への人材の移動をどうやってやるか?に尽きますが、単に職業訓練すればいい話ではないだけに難しいところです。

「トランプ支持はかっこ悪い」という空気

要するに、アメリカのメディアや知識層はリベラルですから、粗野で暴言連発のトランプを支持することはカッコ悪いと思ってしまうんですね。

ハリウッドセレブもほぼみんな反トランプなことも拍車をかけていました。

思うにこの空気は

・トランプの支持層は白人の中間層~貧困層が多い
   ↓
・なので「トランプ支持」を公にすると、自分が貧困層と周りに思われてしまう懸念
   ↓
・実はトランプ支持なのに出口調査では「ヒラリー」と誤魔化してしまった

という意識を働かせたのではないかと思うのです。そのため意識調査や出口調査の結果と投票結果が合わなかった、と考えると合点がいきます。

僕の知ってる限りでは、アメリカのセレブでトランプ支持を公言していたのはクリント・イーストウッドぐらいだったと思います。ただ、彼は伝統的な共和党支持者で、その流れで共和党の指名を受けたトランプを応援したのであってトランプの政策に共感したわけではありません。

とにもかくにも、この政治経験の無いビジネスマン大統領がアメリカをどこに導いていくのか、日米安保の傘の下にいる日本人としては目が離せません。

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