新型コロナが2類相当から5類に移行してから、人々の生活は徐々に元に戻りつつある。
マスク装着者も2/3から半分ぐらいになり、スポーツ観戦やコンサートも声出し、マスク無しでもOKなところがほとんどで嬉しい限り。
私は以前からライブ参戦にはライブ用イヤープラグ(耳栓)を使っているのだが、新型コロナで公演が一気に減ってしまいしばらく使っていなかった。
先日、久しぶりに、アメリカのメタルバンドの来日公演に行くことになり、このライブ用耳栓を引っ張り出してきたのだが、これが素晴らしかったので、後追いレポートしたい。
なんとまさかの劣化なし
私が購入したのはこのライブ用耳栓。
THUNDER PLUGSという耳栓で、単に外音をカットする耳栓ではなく、全体的に音量を下げることを狙っている耳栓である。
専門的に言えば、外音を18dB~20dB程度下げる。
効果のほどは以前の記事に書いてあるが、今回驚いたのは「劣化していない」ことである。
通常、この手のシリコンで出来た製品は、年月が経つと表面に可塑剤が浮いてきてベタベタしてきたり、柔軟性が無くなったりして数年で使えなくなるものが多い。
しかしこの耳栓、2018年に購入したものであるが、購入から5年経ってもシリコンの柔軟性は保たれており、ベタつきもなく装着性も購入時と変わりがない。
正直、千円ちょっとの商品なので買い替えようかとも思っていたのだが、いい意味で裏切られた気分である。
HR/HMの爆音でも申し分ない性能
以前、突発性難聴をやってからというもの、高騒音の場所には気を遣う。
飛行機や新幹線に乗るときは、耳栓を使うか、最近はアクティブノイズキャンセリング対応のワイヤレスイヤホンを愛用している。
ANC対応イヤホンは移動時の耳栓代わりには最適であるが、コンサートの大音量にはライブ用耳栓が必須だ。
今回は初めて訪れたZepp Hanedaで使ってみたが、以前、EX Theater RoppongiでのLOUDNESSで使ったときと同じような快適だった。
曲間のMCの声も問題無く聞こえるし、ライブ終了後の耳鳴りも皆無である。
ライブで耳栓は失礼?
よく
という意見があるが、実に日本人っぽい疑問だ。
メジャーデビューしているミュージシャンでそんなこと思う人は一人もいないだろう。
だって彼らが一番、難聴の危険にさらされているからだ。
多くのミュージシャンが難聴を理由に活動を制限している。
有名なところでは、元BOOWYの氷室京介が2014年に難聴を理由に活動休止している。
原因はいろいろあると思うが、おそらくアマチュアバンド時代から大音量に晒された環境で活動してきた影響が大きいのだろう。
若いバンドマンほど、スタジオで練習するときやライブハウス出演時に耳を保護していない。
スタジオ代、機材代に窮する下積み時代に、イヤモニを作るほどのお金は出ない。
売れてきてようやくイヤモニを作れるようになるが、それまでは耳を酷使することになる。そのツケが晩年に回ってきているのかもしれない。
そんな苦労を知っているからこそ、観客が耳栓をしたからといって「お前、失礼だろ!」なんて言うはずがない。
耳は消耗品である。
大事に使えば死ぬまで聞こえるが、雑に使えば死ぬ前に聴覚を失う。
などと抜かす大馬鹿野郎は放っておけ。
安全に大音量、音圧を楽しむのなら、躊躇せずにライブ耳栓を使おう。
難聴は不可逆性だ。
一度難聴になると何千億円を積んでも聴覚は取り戻せないが、ライブ用耳栓はわずか1,500円で買える。
コメント