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宝くじはなぜ当たらない?当たらなさ具合を計算してみた


誰もが当選を夢見る宝くじ。当選した人の話題を聞くと本当にうらやましいですね。

もし当たったら、あれ買ってこれ買って、あの国に旅行行って…と夢は限りなく広がりますが、一方で年末ジャンボで1等に当選するよりも交通事故に遭う確率のほうが全然高い、なんてことも言われています。

経済学者なんか宝くじのことを「愚者の税金」とまで言い切ってますからね。

当選確率が1/1000万とか1/600万とか言われてもイマイチピンとこないのではないでしょうか?

なんとなく「確率はすっごい低いけど、でも買い続ければいつかは…」みたいなイメージを持っていませんか?

残念ながら今回の記事は、そんな幻想を木っ端微塵に打ち砕く内容です。(笑)

宝くじに夢を持ち続けたい人は読むと後悔するので、これから先は読まないほうがいいです。

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宝くじの確率と払い戻し率について

宝くじの当選確率

日本で発売されている宝くじの確率はだいたいこんな感じです。

・年末ジャンボ(1等:7億円):1/2000万
・年末ジャンボ(1等:4億円):1/1000万
・ロト6(1等:1億円):1/約600万
・toto BIG(1等:6億円):1/480万

当選金額に対して確率がいいのはtoto BIGですね。

だからどうせ買うならBIGですよ!!

…なんてことは言いません。

これがいかに現実味のない数字であることはこの後解説します。

払い戻し率(ペイアウト)

どんな宝くじでも払い戻し率は概ね50%前後。

これは、宝くじの売上げの半分を運営に使って、残り半分を当選金として払い出しているということです。

最近は運営費に50%以上かける宝くじも見かけるようになってきました。TVCMも以前より増えている感じがします。

運営費が多くなると、その分払戻し金が減って宝くじ自体の魅力が薄くなります。

そのため、1等の当選金額を引き上げ、その分2等以下の当選金を引き下げてバランスを取っています。

この払い戻し率50%というのは全てのギャンブルの中でも際立って低い数字です。

例えば、カジノにあるスロットマシンの払い戻し率は80%~95%程度と言われています。

ラスベガスのカジノホテルの広告には「PAYOUT 93%!!」と謳っているところもあるぐらいです。(93%も払い戻すんですよ!ウチのカジノは!と言ってるわけです)

払い戻し率93%は、1000円使うと930円は戻ってくる、という意味です。もちろん理論値ですが。

日本のパチンコ・パチスロは、一番設定が悪い台でも97%程度で、開放台(お客に勝ってもらう台)は100%を超えています。

<払い戻し率>
・パチンコ・パチスロ:約97%~120%
・カジノのスロットマシン:約80~95%
・宝くじ:約50%

こうしてみると、宝くじの払い戻し率の悪さが際立ちます。

かといって「パチンコ・パチスロの97%は良心的なんだなぁ」と思ってはいけません。これは宝くじの払い戻し率に対して「良心的」なだけであって、97%では打ち続けると確実に負けます

1等よりも交通事故に逢う確率のほうが高い

年間の交通事故死傷者数:119万人を日本の人口:1億2629万人で割った「1年間に交通事故に遭う確率」が0.9%です。

交通事故で死亡する確率で言えばもっと低くなりますが、それよりも宝くじに当たる確率のほうが2~3桁低いです。

これじゃあまり実感できませんか?

400万分の1を実感してみる

一番当選確率の高いtoto BIGを例に考えてみましょう。

toto BIGの1等当選確率は約1/480万です。計算が簡単になるように1/400万で考えてみましょうか。

直径11mmのパチンコ玉を床に敷き詰めるとします。

400万個のパチンコ玉を床に並べるとすると、一辺が2000個の正方形になります。

2000個X2000個 = 400万個

パチンコ玉2000個の長さは、直径11mm=0.011mなので一辺の長さは

0.011m × 2000個 = 22メートル

つまり400万分の1に当たるということは、22メートル四方に敷き詰められたパチンコ玉の中にあるただ一つだけの当たり玉を引き当てるということです。

22メートル四方と言えば、22m × 22m = 288平米で、坪数で言えば146.6坪です。

そんな中からたった一つの当たりを引き当てるんですよ?

…無理でしょ。1000回トライしてもかする気もしません。

こう考えると、いかに1/400万という確率か途方も無いことがわかると思います。

年末ジャンボの1/2000万は?

年末ジャンボの1/2000万、計算が面倒なので1/1600万としましょうか。

すると先ほどの22メートル四方の4倍なので

400万個 × 4 = 1600万個

に相当するわけです。

一辺が44メートル四方といったら、大き目の体育館の敷地面積ぐらいでしょうか。そこに敷き詰められたパチンコ玉の中から、たった1個の当たりを引くことが「一等当選」になります。

…無理でしょ。

確率は0じゃないけど、それ、1回300円払ってトライしますか?

そう考えると、1回200円でどうしようもないオモチャが出てくるガチャが非常に良心的に見えてきます。

少なくともガチャは何かは出てきますからね。

宝くじが「愚者の税金」と呼ばれる理由

ジャンボ宝くじやtoto BIGなど、TVでバンバンCMしてますよね。

もちろんあの宣伝広告費も収益金の中から出ています。

そもそも宝くじは地方自治体の財源として認められており、売上金の約40%が地方自治体に分配されることが決まっています。

売上げ総額の内、

・約50%は当選払戻金へ(全等合わせて)
・約40%は地方自治体へ

となれば、運営に掛けられる費用は10%です。

宝くじの年間総売上はおよそ1兆円。

ということは、

・約5000億が当選払戻金へ
・約4000億が地方自治体の財源へ
・約1000億が運営費へ

ということになります。

デフレで所得税や法人税の税収が下がっている中で、地方自治体にとってこの4000億円はとっても美味しいわけです。

合法ギャンブルでしかも民間参入が許されない独占事業ですから、そりゃゴールデンタイムにCMバンバン打ちますよ。

しかも宝くじは購入が義務付けられているものではありません。

国民が自ら進んで、嬉々として購入しているのです。

だから宝くじは「愚者の税金」と呼ばれるわけです。

「買わないと当たらない」は確かにそうだけど…

「買わないと当たらない」は事実ですが、でも「買っても”まず”当たらない」というのも事実です。

実も蓋もありませんが、夢は叶わないから夢という見方もあります。

400万分の1は確率で言えば、0.000025%。こんな確率、まず当たらないです。

試行回数を増やせばもちろん確率は上がるでしょう。

仮に試行回数を1万回としましょうか。宝くじ1万枚買うのと同じです。

そうすると確率は0.000025% → 0.25%まで上がります。

しかし1枚300円の宝くじを1万枚買うわけですから300万円使うわけです。

300万使っても確率が0.25%なので、まず当たらない。300万をドブに捨てるようなものです。

だったらFXとかバイナリーオプションに投資したほうがまだ安全ですね。

宝くじシミュレータで実感してみる

世の中には素晴らしい方がいて、いかに宝くじが当たらないか実感させてくれるシミュレータを公開されています。

宝くじシミュレータ(外部サイト)

ジャンボ宝くじの仕組みを模して、購入枚数を延々とカウントアップしていき、使った金額、当選金額、払い戻し率をリアルタイムに計算してくれるシミュレータです。(特別なプログラムをインストールしなくても、ブラウザ上で動作します)

30分でも1時間でも動かしてみるとわかりますが、まぁ当たらないのなんの。(笑)

数千枚買った程度ではまったくかすりもしないことが実感出来ると思います。

ビジネスで見たときの宝くじの凄いところは、購入者から見るとまず当たらないのに、販売側から見ると必ず当選者が出るところでしょう。

宝くじに当たった人がいて、外れた人に「次こそは自分が」と思わせて広くお金を集められるところなんですね。

しかも売上げの半分は運営で使えるわけですから、余程売り残らない限りは足が出ることはありません。

いくら1等の当選金が7億円から10億円に上がったからと言って、確率が1/1000万から1/2000万に下がれば普通は買う気が失せるものですが、1等前後賞合わせて10億円!とCMで煽られると、正常な判断力を失って「もしかしたら私にも…」と思っちゃうんですよね。

これだけ美味しいビジネスですから民間企業に自由にやられると困ります。

そのため、宝くじは「当せん金付証票法」という法律でガッチリ保護されています。

それでもあなたはまだ夢を買いますか?

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