Y!mobileがPHSの新規契約・機種変更を2018年の3月で終了するらしい。
Y!mobile、PHSの新規契約・機種変更を2018年3月で終了(ケータイwatch)
DDIポケット時代から愛用していたけど、残念だけどこれも時代の流れ。
実は僕は今まで3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)と契約したことがない。
PHSから格安SIMにMNPした稀有なユーザとして、PHS時代を振り返ってみたい。
当時の記憶を頼りに書いたので、多少の間違いはご容赦いただきたい。
NTTパーソナル、DDIポケット時代
僕が一番最初に契約した携帯電話がDDIポケットのPHS端末だった。1996年頃だったかな。
当時仕事では部にドコモのPDC携帯が何台かあって、外出する人が携帯の番号を予定表に書いて持ち出す運用だった。
確か基本料が6,000円ぐらいに通話料が6秒で10円ぐらいはしたので、携帯1台あたり月に15,000~20,000円ぐらいはかかっていたと思う。
それでも電話を外に持ち運べていつでも通話出来るのだから、携帯電話は当時の若者を中心に爆発的に普及した。
携帯持っていないと「まだ持ってないの?」なんていわれたのもこの頃。
僕は仕事で会社の携帯をよく使っていたのでその便利さは知っていたけど、個人で買いたいと思うほどではなかった。
欲しい気持ちが月額利用料に負けている状態といったほうが正しいかもしれない。
そんなときにNTTパーソナルがISDN網を使ったPHSサービスを開始する。
確か事務手数料が3,000円で月額基本料が2,700円と携帯電話の半額以下で運用できる手軽さがうけて、金の無い高校生や大学生を中心に普及した。ちょうどポケベルユーザーの受け皿になってる感じ。
その頃でもプライベートで携帯が無いと困るシーンはほとんど無かったけど、月額3,000円程度だったら買ってみるか、ぐらいの感じでDDIポケットと契約した。
確かシャープ製のストレート端末だったと思うが、とにかく電池の持ちだけは良かった。
1回充電すると1週間は充電不要なので、たまに充電器がどこに行ったか忘れてしまったり。
ただ、買ったばかりのころは、相手がキャリア携帯だと電話番号の頭に何桁か固定番号(どんな番号だったか忘れてしまった)をつけないと掛けられなかった思い出がある。
でも何ヶ月かしたら、携帯番号090~をそのままダイヤルしてもつながるようになって、ようやく移動体通信の仲間に入れてもらった。
意外と使いやすかったPHS
PHSはなんと言っても月々の費用が安くて非常に良かった。
キャリア携帯の人達は月々8,000円以上払っている人達がほとんどの中で、PHSは月額基本料2,700円に通話料が1,000円くらい。大体4千円/月で運用していた。
そのかわり山や海など市街地から外れると繋がらないというデメリットはあったものの、僕はゴルフもしないし行楽地で電話を受けなければならないような役職でもなかったので困ることはほとんどなかった。
当時の携帯電話は、一つの基地局に接続できる端末数を多くするために帯域を圧縮していた。PDC時代は電波が少しでも悪いと、同僚の声ですら誰か分からないぐらい圧縮されていた。(通話内容は問題なく聞き取れる)
それに比べPHSはADPCM 32kbpsなので、音声に関しては固定電話と変わらないぐらいの品質だ。
携帯から会社に電話すると出先から掛けているのが丸分かりだけど、PHSだと自宅の固定電話から掛けているのと変わらないのでよくそれでズル休みの連絡をしたものだ。典型的なダメサラリーマンだった。
マジで災害に強い
PHSで忘れられないのはやはり3.11の東日本大震災の時だろう。
当時は会社からFOMAの音声端末が支給されていたけど、プライベートでは相変わらずPHSを使っていた。
2台目無料だったし家族間無料通話(定額プラン)だったので、嫁子供は皆PHSにしていた。3台運用して月々7,000円ぐらいだから、携帯の半分以下のランニングコストだったと思う。
地震直後から携帯は全く繋がらなくなったが、PHSだけは全く問題なく通話することができたのには本当に驚いた。
当時のPHS加入者は2台目無料キャンペーンや誰とでも定額のキャンペーンが功を奏して500万回線程度まで盛り返していたところだったけど、それでもつながりづらいこともなく、PHS間ではいつものように通話することができた。
固定電話間でも繋がりづらくなっていたが、なぜかPHSから固定電話は5回に1回ぐらいの割合で繋がるので、僕のPHSを同僚に貸し出してみんな自宅の安否を確認することができて随分感謝されたことを思い出す。
車でも切れなくなる
90年代後半ぐらいまでは、PHSは「簡易携帯電話」と呼ばれていただけあって車や電車で移動中はまず通話出来なかったが、1998年頃だったかその前後だったか(かなりあやふや)にPHS網がXGP化?されて、市街地を車で移動しているぐらいでは全然途切れなくなった。
確かマイクロセル内のハンドオーバーが早くなったからだと何かの技術系サイトで読んだ記憶があるが、詳しいことは忘れてしまった。
新幹線ではさすがに通話出来なかったけど、それでも東京~新横浜間ぐらいだと通話が出来たし、名古屋駅や京都駅に近づいてスピードが落ちると急にメールを受信したりしていた。
通話に関しては市街地では携帯電話となんら遜色がなく、音質は明らかにPHSのほうが上だった。
端末の進化が遅い
僕のPHSに対する評価は概ね高いのだが、その中でも端末の進化が遅いのだけは仕方なかった。
当然、端末メーカはマーケットの大きい3大キャリア向けに開発を注力するわけで、わずか500万回線の市場に供給するPHS端末は携帯端末の足元にも及ばない。
携帯端末は夏冬と年に2回も新モデルが出るのに、PHSは年1回出ればいいほうで、数年に一度の新機種投入が常でだった。
もっとも、端末代金が無料になるのに2年かかる(実質2年縛り)ので、機種の選択肢が少ないことを除けば、PHSはまだまだ魅力的だった。
スマホとPHSの2台持ちから格安SIMにMNP
訳あってそれまで勤めていた会社を退職することになり、会社支給のスマホを返却することになってしまった。
それまでは会社支給のiPhone5sとPHS(自前)の2台体制だったので個人でスマホを持っていなかったのだが、さすがにスマホの無い生活には戻れないので新たに自分でAndroid機(Zenfone5)を購入。
ついでにPHSから格安SIM(IIJ)にMNPした。
それまでのiPhone5sは会社の経費とはいえ月に5千円程度かかっていた。(法人割引と特価を出してもらっていたのでこの価格)
それが音声通話+データ1GBで1,600円/月である。PHS並みに安い。
ちなみに僕は音声通話がほとんどないので通話料は月に400円ぐらい。なので合計2000円/月ぐらいである。
しばらくすると月額料金変わらずにデータ量が1Gから3Gに増えた。
自宅と会社がWiFi使えるので、月に3GBもあれば行き返りの電車でブラウザでネット閲覧しながらたまにYoutube見たり、たまにradikoを聴くぐらいであれば全然足りるデータ量である。
今の構成
結局、今は
・妻:PHS端末+スマホ+格安SIM(データ3GBプラン)
・子供1:PHS端末(習い事お出かけ用)
・子供2:Y!mobile携帯(習い事お出かけ用)
という構成。
なんだかんだ言ってもPHSは安い。
習い事や塾への行くときの連絡用に持たせるのに非常に都合がいい。
ウチはこの構成で通信費が8千円/月ぐらい。1人じゃないですよ、4人分まとめて8千円/月。
多分、キャリアで音声定額プラン+データ5GBのプランで大体8千円/月ぐらいだと思うので、僕からするとずいぶん贅沢なお金の使い方だと思う。
今の時点では2018年3月に新規受付を終了するだけなのでその時点でPHSサービスが終わるわけではないが、同時に機種変更の受け付けも終わるので、その後何年後かにはPHSサービス自体が終わることは間違いないと思う。
Y!mobileはソフトバンクグループなので、おそらく乗り換えキャンペーンを打ってPHSユーザをソフトバンクに移行するのではないかと推測する。
今使っているPHS端末は3年以上使っているためバッテリーの減りが早くなってしまった。
なので新しいPHS端末に最後の機種変更をするか、乗り換えキャンペーンを待つか悩むところではあるが、そんなことを考えながら20年も使っていたPHSを懐かしんでみたところである。
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