サラリーマンと大雨とビーンブーツ


今日は気温が10℃に満たないらしく、10月中旬までに10℃を下回るのは31年振りだそうな。

今朝は雨に加えて北風が結構強かったのでビーンブーツの出番だったが、傘を指していても足元が濡れた人は多かったと思う。駅に着いたら周囲のサラリーマンは革靴とスーツをぐっしょり濡らして大変そうだった。

「お前は普段着で通勤できる職場だからそんなこと言えるんだ」とおっしゃるかもしれないが、実は僕は以前営業職をやっていたときから服装は臨機応変に対応していた。

だからこんな大雨のときでも長靴やビーンブーツで通勤していたし、場合によってはお客さんのところにもレインコート着てブーツ履いたまま訪問したこともあったけど、それで文句言われたことは一度も無い。

なぜそういうことができたのか、今回は当時のことを交えてお話したい。

僕の服装に対する考え方

その前に僕の服装に対する考え方は実利主義であることが前提にある。

「長靴は機能的だけど東京で履くのはカッコ悪い」と考えるビジネスマンはことのほか多いのだが、僕は不快なことが大嫌いなので、濡れるぐらいならカッコ悪くても雨カッパ着て行くしそのまま電車に乗ることに抵抗が無い。長靴履いたまま山手線に乗るのも全然OK。

他人にどう見られるかよりも実利を優先する性格である。

かと言ってファッションに全く興味が無いかと言えばそうではなく、気に入ったデザインであれば機能よりもファッション性が優先するときもある。それでも天候には勝てないが。

営業職時代の服装

営業職時代は、当然ながら毎日スーツに革靴を履いて通勤していた。

ただ一日中オフィスにいるのが予めわかっているときなどは、スーツではなくカジュアルな格好で通勤していた。

しかし大雨の日に一番困るのは足元だ。どんなに大きな傘をさしてもちょっと風が吹けば足元は濡れる。

だから大雨の日は防水ブーツを履きたいところだが、長靴にしてもビーンブーツにしてもスーツには合わないので、ブーツを履いてもそれほど違和感がないように、ジャケット+チノパンのような、いわゆる「ジャケパン」スタイルだとビーンブーツもその存在をそれほど主張しなくなる。

大雪のときはジャケットをツイードジャケットに変えれば、英国紳士が冬にハンティングに行くような雰囲気になる。

顧客の反応

大方のサラリーマンは「そんな格好でお客様のところに行ったら怒られるのでは?」と思うかもしれないが、僕の経験上、このスタイルでお客さんに苦言を言われたことはただの一度も無い

確かにジャケパン+ビーンブーツは少々カジュアルではあるが、天候が天候なのでむしろ「いやー、こんな天気の悪い中来ていただいて申し訳ないです」という反応がほとんどだった。

というか「そのブーツすごいですね。どこのブーツですか?」とか、担当者が女性だと「そのブーツ、オシャレですね」と言われることも一度や二度ではない。

むしろ他社の訪問者がビショビショに濡れながら訪問している中でそんな格好をしていると、相手には「この人は合理的は行動をするヤツだ」と思われるので好都合である。

実際、僕は年末年始の挨拶とか無意味な訪問は好きではないし、理由のない値引きに応じることは一切しないタイプの営業マンだった。

なので昔ながらのネッチョリとした人間関係が好きなバブル期以前の人には嫌われているが、リーマンショック以降の世代からは比較的好かれていた。(と思う)

上司の理解

基本的にウチの会社は結果にコミット(笑)して成果を出していれば、大概のことは個人の裁量に委ねている職場なので「あなたがそう判断したのならそうすればいい」という風潮である。

当時の上司は常にスーツだったが、それは会社の慣習に従っているのではなくて、ワイシャツのシルエットにこだわるために日々体重を100g単位で体重をコントロールするぐらいスーツ好きだったからだ。

会社で上着をまず脱がないし、上着を脱ぐ時はスリーピースのベストを着るぐらい徹底する人だった。

ただ、営業成績が悪かったら「そういうことは目標達成してからやれ」と服装のことを槍玉に挙げられたかもしれない。

営業成績に影響なし

訪問先の顧客からも「ダメだよ、そんな格好で来ちゃ~」なんて言われたことは一度も無く、むしろ準備周到に来社してくれたことに感心してくれることのほうが多かった。

服装が原因で取引中止になったとか、出入り禁止になったとかそういうことは全く無かったし、営業成績に影響することも全く無かった。

むしろよく聞くのは「ヨレヨレのスーツに黄ばんだYシャツで訪問してくるぐらいなら、むしろキレイなTシャツと短パンで訪問してもらったほうがよっぽどいい」だった。

Tシャツ短パンは言い過ぎだろうが、そのぐらい”服装の型”よりも”清潔さ”が重要だと思う。

服装/身だしなみ、と言うけど、ネクタイしている人、誰もいないよね?

よく考えてみれば戸別訪問営業ならともかく、BtoBで何度も訪問しているところにわざわざスーツを着て訪問することにあまり意味は無いと思う。

僕も、顔なじみの営業さんが来社するのであればスーツだろうが普段着だろうが気にしない。ビジネスや商品の内容が重要なのであって服装は正直どうでもいいと思う。小綺麗で清潔であれば全く気にしない。

先日、定年退職した大先輩が、以前客先に同行したとき「昔はネクタイ外したまま訪問したら○○の資材部の課長にメチャメチャ怒られてね、もうそれ以来、どんなことがあってもネクタイをするようにしてるんだ」って言ってたのを思い出した。

確かに客先にそういううるさい人がいるかもしれないからどんなときでもスーツ、っていうのは一見合理的なのだが、その大先輩の送別会のときに「その怒られたのっていつ頃の話なんですか?」って聞いたら「1990年頃だったかな?確か」と言う。

確かにその頃は外見や精神論にうるさいオジサン方が社会にたくさんいたけど、今やそんな団塊の世代はほとんど退職してしまって、今、会社の中枢を担っている人達は昔と比べると形式よりも実利を優先する人が多くなったと感じる。

昔に比べると理不尽に怒鳴ったり感情的になる人達が少なくなって、割と話が通じやすくなった気がすると思うがどうだろうか。

それにクールビズが定着したおかげで、今や通年でネクタイをしない人も多い。

もうそこまで行ったらスーツなんか着なくてもいいんじゃないの?と思ってしまうのだが、みんな結構スーツ好きだよね。

結局、日本人は同調圧力に弱く、事なかれ主義

結局日本人は、理不尽なルールや奇妙な風習を自ら辞めることを良しとしない民族だと思う。

一日中オフィスにいるのにスーツ着用しなければならない理不尽さに誰も声を上げない、周りがそうだから自分も合わせておけばとりあえず問題無いだろう、といった事なかれ主義

企業説明会には皆同じリクルートスーツを着て、皆同じ髪型で行く。おかしいと思いながらも自分だけが集団から外れることを恐れて飛び出せない。

せっかく尖った個性が社会の中でどんどん消えていくのは本当に残念だと思う。

一つ一つを変えていこう

「オマエ何いってんの、とりあえずみんな同じ格好しとけば問題無いんだから放っとけよ」
「大雨なんて年に数回なんだから、服装ぐらいでガタガタ言ってんじゃねーよ」

という人には何を言っても響かないと思うので、これ以上何も言わないが、

「そういわれると、スーツ着用って決まりは無いんだよね。みんな着てるからなんとなく着ていたけど」
「大雨で革靴までビショビショになるのは本当に頭にくる」

と思っている人は、本当にその格好に合理性があるのかもう一度考えてみるべきだと思う。

・なんとなく会社の雰囲気に流されていないだろうか?
・本当は不要なことを必死でやっていないだろうか?
・自分のやっていることに合理性はあるのだろうか?

そう考えるところから、事なかれ主義からの脱却は始まる。

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