先日、厚切りジェイソンとホリエモンからバッサリ斬られていた”手書き履歴書”。
僕も同じ全く同意見で、何が悲しくて手を傷めながら同じものを手書きでコピーしなければならないのか、全く理解できません。
手書きで書かれた履歴書に合理性はあるのか?
手書き履歴書に合理性があるとすれば、書道教室やペン字教室の講師採用とか、手書き文字を売り物にした職種ぐらいしか思いつきません。
確かにこれらの職種では、字が綺麗なことは採用条件になるでしょうから手書き履歴書を要求することには合理性があります。
しかしそれ以外ではどうでしょうか?
「文字はその人の人間性が表れる」という人もいますが、字が汚い人は人間性がダメなんでしょうか?
僕の経験上、字が綺麗な人でもコミュニケーションに問題アリな人もいますし、字が綺麗なだけで仕事が全然できない人もいます。
一方で字が汚い人でも優秀な人はたくさんいます。
もちろん、字が綺麗で優秀な人もいれば、悪筆で無能な人もいます。
つまり字の綺麗さと人間性や能力には相関がありません。
むしろ高学歴な人に悪筆な人が多いように感じます。(主観ですが)
企業側が手書き履歴書を評価しているから手書きで書かざるを得ない
筆記具メーカーの調査で、手書き履歴書を評価する企業は54.6%だそうです。
まあ、応募者としてみたらこんな調査結果を見たら手書きで作らざるを得ないですよね。
でもこれって、本来は企業側が変わらなければならないことだと思うのは僕だけでしょうか。
手書き履歴書が応募時の評価ポイントになるのであれば、それは応募条件として提示するのがフェアだと思うんですよ。
「弊社では「文字はその人の人間性が表れる」と考えており、履歴書の文字は入社選考の要件の一つとなることをご承知置きください」みたいに、応募者に提示しておくべきだと思うのです。
その上で、選考の結果、不採用であれば履歴書を返却する、というのが手書き履歴書を出させる企業側の誠意だと思うのです。
それもせずに、上から目線で「文字は人となりを表すから履歴書は手書きが好ましい」とか言うのは、既に社員として身分が保証されている社員が、弱い立場の応募者をただ虐げているだけのように見えてしまいます。
なんか就職説明会での話と似ていますね。
「普段着でお越しください」と案内されているのに、私服で行くとマイナス評価になるとか、一体何の罰ゲームですか。(笑)
手書き履歴書を重視しているような会社には行かないほうが懸命
個人的には、手書き履歴書を重視している会社には行くべきではないと思います。
そういう会社はまず間違いなく古い価値観に縛られている会社です。
例えば、
・来客時に女子社員がお茶出しをしなければならない空気が漂っている
・営業職でも無いのにスーツ着用
・残業を多くやっている人間が偉い
・有給が消化出来なくて切り捨てられるのが武勇伝
・仕事の教え方が未だに「見て覚えろ!」といった師弟制度(効率的でない)
といった感じです。
こういう会社では、たとえ合理的な提案をしても「前例が無いから無理」と却下されるのが関の山で、変えようと思ってもなかなか変わりません。
会社の体質を変えることにパワーを使うより、そういうことに神経を使わなくてもいい会社に行くべきです。
特に電機・情報系の会社がこんな会社だったら、入社したのはいいけど10年も経たない内にビジネス環境の変化について行けなくて会社が傾くこと必至です。(不正会計で問題になっているあの会社とか、設備投資の判断ミスで傾いている関西のあの会社とか)
僕は以前、某IT企業の開発マネージャーをやっていたとき、年間70~80人程面接をしていました。
僕がいた会社はマネージャーに採用権限があったので、自部門の予算内であれば自由に募集・採用することができました。
会社のウェブサイトの採用情報ページには「履歴書(写真貼付)/職務経歴書/自己PRはWordもしくはExcelで作成し、電子メールで送ってくださいね~」と書いてあるにも関わらず、手書きで送ってきたものや、郵送されてきたものについては、その時点で不採用にしました。
だってそれって、これからIT系の会社で働こうとしている人なのに、基本的なスキルが欠如しているじゃないですか。
・手書きで送ってくる。→Word, Excelが使えないと判断されても仕方がない。
・郵送されてきた。→電子メールが使えないと判断されても仕方がない。
意図的に手書き、郵送で送るのなら、せめてその理由・意図をカバーレターにつけるとかして欲しかったです。「応募要項にwordもしくはexcelとありましたが、私は字の綺麗さに自信があるので是非手書き履歴書で応募させてください!」とあれば、面白そうな応募者だな、面接してみようか、とこちらの興味もそそられます。
応募は週に2~3件はありましたから、通常の業務をやりながら応募書類に目を通さなければならないのに、いくら丁寧に書いたとは言え、汚い文字の職務経歴書や自己PRを見るとテンションが下がります。
こういうことが積み重なって競争力を失っている
日本のホワイトカラーは世界的にも生産性が悪いと言われて久しいですが、こういった合理的な説明が出来ないことがたくさん積み重なって、日本企業の競争力が削がれているような気がしてなりません。
製造業ではあれだけ合理性を追求して品質と生産力を高めたのですから、クリエイティブな職種でも同様に生産性を高めることが出来るはずです。
少なくとも、IT系のトップランナー企業は手書き履歴書を評価することは絶対ありません。
ですから、履歴書の手書きに時間をかけるよりも、内容に時間をかけて綺麗な履歴書を作成したいものです。
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