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ネットでがっかりする5つのこと


「インターネットが世界を変えた」ことに対して異論を唱える人はいないだろう。

僕はインターネットが世に広まる少し前の、1989年にIT業界に入った、インターネットが広まる前の世界と広まった今の世界の両方を見てきたバブル世代の残党エンジニアである。

インターネットの広まりで様々な利便性が上がったが、僕が一番恩恵を受けたと思うことは、

世界の「知」を共有

できることに他ならない。

インターネットが普及する前は、情報を得るには書籍を探すか、誰かに聞くしかなかった。

仕事に関係する情報であれば、専門書店に行くしかなかったし(当然Amazon.comは無かった)、誰かに聞くにしても、その情報をしっている人を探すのが一苦労だった。

それが今では、googleの検索エンジンにキーワードを入れれば、世界中の誰かが同じ問題にブチ当たっていて、その解決方法を共有してくれている。

今から30年前は専門書店や国立図書館、大学の先生に相談しないとたどり着けなかった情報が、いとも簡単に、しかもコストがかからずに得られるようになった。

そんなインターネットの恩恵を実感しつつも、未だにこんなことやってる世界なのかとガッカリすることがいくつかある。

今回はそんな「ガッカリ」な事について書いてみたい。

恐らく共感してくれる人が多いに違いない。

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ネットでガッカリする5つのこと

1.コンテンツのたらい回し

それほど大事では無いが、ちょっと目にとまった記事をクリックすると、まとめサイトに飛ばされることがある。

エログロ系サイトでは顕著だが、一般的なネタ記事でも、そういうまとめサイトに飛ばされることがままある。

さらにそのまとめサイト上で当該記事をクリックすると、また別のまとめサイトに飛ばされる。

その飛ばされた先のサイトの広告を避けながらスクロールして、ようやく当該記事にたどり着く。

なぜこういうことをしているのかと言うと、アクセストレードという仕組みを使っているからだ。

アクセストレード、通称「アクトレ」とは何なのか?

通常、新規にまとめサイトを作っても、グーグルの検索結果に上位表示されるには時間がかかる。

そこで、既にたくさんのアクセスがあるまとめサイトにサテライトサイト(衛星サイト)として登録することで、アクセスをお裾分けしてもらえる。

当然、大元のまとめサイトは親切心だけでアクセスのお裾分けをするわけではなく、更新頻度の高いサイトにはたくさんアクセスを振り分けますよ、更新頻度の低いサイトにはそれなりのアクセスしか行きませんよ、という重みを付けたアクセス配分を行う。

実際には更新頻度の多いサテライトサイトは大元のまとめサイトで上位表示されやすくなり、アクセスが流れやすくなるという仕組みだ。

そしてアクセスを振り分ける代わりに、指定のブログパーツを掲載することを要求される。

大元のまとめサイトは、自分のサイトから流すアクセスと引き換えに、他人が作ったサイトに自サイトのリンクを置くことができる。

別ドメインに自サイトのリンクがある、というのはグーグルのSEO的に価値が高く、検索上位に上がりやすい。

お互いのアクセスを交換(トレード)するので、アクセストレードというわけだ。

まとめサイトの主な目的は「アフィリエイト」という広告収入。

アクセスがなければ広告もクリックされないので、既に莫大なアクセス数を持っているまとめサイトにアクセストレードを持ちかける。

そしてまとめサイト同士でアクセスをたらい回しして、その間に広告が踏まれることを期待する、というビジネスモデルだ。

しかしこの問題は、ユーザーがいつまでたっても欲しい情報にたどり着かないことだ。

もちろん無料で情報を得られることには裏がある。

このあたりはTVと同じで無償コンテンツ+広告モデルだから致し方ない部分ではある。

しかし、コンテンツをエサにサイトをたらい回しされた挙げ句に広告が挟まれても、何ら面白いことはない。

こういった手法はエログロサイトで多く取られている。

この記事を読んでいるあなたも、エロサイト検索で同じようにサイトたらい回しされた経験があるのではないか。

2.「続きを読む」ボタンがムカつく

エンタメ系、ビジネス系コンテンツに多いのが、記事の導入部1~2行だけ表示して、「続きを読む」ボタンを設置しているケースだ。

これの何がムカつくかというと、コンテンツとしては全てダウンロードしているのに、「続きを読む」ボタンを表示してダウンロード済みのコンテンツを隠していること。

なぜこういうことをするかと言えば、コンテンツが読まれているかどうかを計測したいためだ。

グーグルのWeb計測技術を使えば、何年何月何日の何時何分にどのページにアクセスがいくつあったのか、といった計測データが取れるのだが、ページのどの部分まで読まれたのか、タイトルだけ見て離脱したのかなど細かな計測ができないので、こういったワンクッション置くボタンを設置して計測している。

こういったことはjavascriptで簡単に実装できるので、特にスポーツ新聞系やビジネス系のサイトではよく見られる手法だ。

しかし、そのタイトルを見て興味があってタップ(クリック)したのに、遷移先のサイトでさらに「続きを読む」を押さないと続きを見られないのは手間が増えて腹立たしい。

しかも「続きを読む」を押すと、かなりの高確率で全面広告が出てきて、記事を読みたい気分に水を差される。

全然ユーザーファーストじゃない。

3.オーバーレイ広告

オーバーレイ広告とは、コンテンツの上に重なる形で挿入される広告のこと。

エログロ系サイトでは以前から多かった広告手法だが、最近ではビジネス系のオウンドメティアでも多用されている広告だ。

これ、純粋に思うのは、

今読んでいるコンテンツを邪魔するように挿入された広告に効果があるのだろうか?

ということ。

ハッキリ言って、このタイミングで出てくる広告にいい印象は持たないし、むしろ「こんなサービス、絶対使わない」と意固地にさせてしまうぐらい、負のパワーに満ちあふれている。

世界仰天ニュースのまたぎ広告ぐらいに「絶対買わない」という印象しか持たないだろう。

そういった、読者に負のイメージを植え付けるために出稿している広告ってなんだんだろう?

4.巧妙なだまし広告

これは上の「続きを読む」ボタンにも通じるのだが、コンテンツの「筒木を読む」ボタンの下に広告があり、その広告の中に「続きを見る」ボタンの画像がある場合がある。

これは広告主が意図的に誤タップ(誤クリック)を狙って出稿しているものと思われる。

記事の続きだと思ってみたら、なんか意味が通じない、よく見たら広告だった、なんてことがよくある。

これなんかは法律で規制しないとダメだと思うんだけどね。

それとよくあるのが、窓の社という株式会社インプレスが運営する、Windows向けのアプリやフリーソフトを配布するサイトで、フリーソフトのダウンロードボタンの横(もしくは下)に広告があり、その広告に「Download」というボタン画像を置いて誤クリックを誘っている悪徳広告がある。

サイトをよく見れば本来のダウンロードボタンは区別できるが、誤ってクリックしてしまうことも少なくない。

ちなみに僕も今まで何回か間違って広告を踏んだことがある。

これも上の話と同様に、誤って踏ませた広告で購買に繋がるのだろうか?という純粋な疑問が湧く。

少なくとも僕や周囲の人間は、その欺瞞さに腹を立てて、その広告主に悪い印象を持つことになる。

5.悪質な美容広告

スポーツ新聞系、週刊誌、女性誌系サイトに多いのが、人のコンプレックスにつけ込んだ悪質な美容広告だ。

・NHKでおなじみの○○
・塗るだけでシミが消えた
・歯に塗るだけで驚きの白さに
・腸内環境を変えた○○(ダイエット系)
・全主婦が泣いた○○(ダイエット系)
・ドッサリ出過ぎて便器が壊れた(ダイエット系)

挙げればキリがないぐらい、悪徳広告が溢れている。地上波なら絶対にアウトだろう。

加工画像と思われる、赤ちゃんの額の大きなシミがペロっと剥がれるような画像(これも加工だろう)で、いかにもこれを使えばこんな大きなシミが取れますよ、と過大広告している。

当然だが、肌のシミは塗り薬、飲み薬では改善しない。

美容系レーザで人工的に火傷を起こして、皮膚の自己治癒能力を使ってターンオーバーを促すしかない。

歯のホワイトニングもそうだ。

塗って白くなるなら美容歯科医院は全部潰れる。

化学的にホワイトニングするには、正しい薬剤と紫外線照射器が無ければできないし、物理的にするならセラミックでラミネートベニアを作って歯の表面に張るしかない。

シミ取りもホワイトニングも、きちんとした施術には金がかかる。

そういったコンプレックスにつけ込むのがこういった悪徳広告で、こういった地上波ではアウトな広告もネットでは蔓延しているのが実情だ。

インターネットはまだまだ無法地帯

インターネットが世に出たのは1980年代だが、実用化されてきたのは1990年代中頃からなので、利用し始めてまだ30年弱である。

それ故、技術やサービスが先行して法整備が後からついてくる、というスタイルは今後も続くだろう。

しかし悪質なネット広告、誤操作、誤タップを狙った実装は、インターネット利用者に不利益しか与えず、誰の利益にもなり得ない。

地上波は限りある電波資源を使っているので、国が規制をかけやすい環境にあるが、インターネットに対しては国はどうにも腰が重い。

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