先日、某ファストファッション系のお店でネルシャツとTシャツを買ったんですよ。
すると会計が終わった後、店員さんがわざわざ商品の入った紙袋をもって店先で手渡しして、丁寧なお辞儀をして見送りしてくれるんです。こちらの姿が見えなくなるまで。
ん~~~~~、これ嬉しいですか?
いや、高級ブランド店での話だったらわからなくもないのですが、ファストファッションのお店で、しかも2,000~3,000円程度の買い物であんなにうやうやしく見送りされても、恥ずかしくってどうにもいたたまれなくなるのは僕だけでしょうか?(笑)
お店としては、そのほうがお客様のおもてなしになると思ってやっているのだと思うのですが、ちょっとお客さんの気持ちとずれているような気がするのです。
高級店の接客が万人受けするという勘違い
こういうサービスって、よくありがちなステレオタイプから来ているんじゃないかと思うのです。
バブルのときに、運転手付きの車で銀座に買い物にきたマダムが店員と雑談しながらあれこれ買って、お店の人が購入した商品を車まで届けて見送りするみたいな。
これは、お店にしてみたらお金に糸目をつけずにいつも買い物してくれる上客ですから、そりゃ車まで荷物運ぶぐらいサービスでするでしょうし、車が見えなくなるまでお辞儀して見送ったりはするでしょう。
マダムのほうも、いつも贔屓にしているお店ですからそのぐらいの接客はしてもらって当然でしょうし、またしてもらうことで富裕層である自分の自尊心が多いにくすぐられます。
ただこういうサービスって、好きな人とそうじゃな人と別れると思うんですよ。
富裕層でもこういうあからさまなサービスを好まない人はいますし、一方で中流層以下でこういうサービスを受けて嬉しいと思う人も中にはいます。僕がなんだかなー、と思うのは後者のほう。
別にこっちは富裕層でもないですし、普段使いのお店で気軽に買い物したいのに、最後の最後でちょっと勘違いしているサービスを受けてしまうと、とても残念な気分になるのです。
仮に、超リーズナブルなファミレスチェーンで食事するとしましょう。”誕生日特典”といってそのテーブルだけ高級店風の接客(でも料理は通常の激安メニュー)だとしたら嬉しいですか?個室だったらまだいいけど、他のお客さんから見られることを考えるとなんか恥ずかしい。
車の納車もそう。新車をディーラーで購入すると、納車のときに花束もらって新車の前で記念撮影することがままあるんですが、それもなんか違うと思うんです。高級車だったらまだわかりますけど、普通の大衆車ですよ。オプション込みの総額でも200万ぐらいの。
当時は「ディーラーがサービスで演出してくれているのだから」と思いましたが、なんかもやもや感が残るんです。
なんでそう思っちゃうのか考えてみたら、そのサービスってまるで僕が爪に火を灯して貯金してやっとの思いで夢のマイカーを購入しました!みたいな演出に見えるからなんですね。こういうと”人の親切を素直に受け取れない奴”とか言う人もいるんですが、でもなんか恥ずかしい。
確かに安い買い物じゃないけど、かと言ってそこまで必死になって買うわけじゃない。僕はそこまで生活が苦しいのなら、無理に新車なんて買わずに中古車でいいと思うほうなので、だからなんか余計にバカにされてるような感じを受けてしまうんですよ。
生活が苦しいのに必死に新車を買う人は虚栄心が強い人だから、ディーラーにそんなサービスを受けても”嬉しい”と思ってしまうんでしょうね。
これも店側の残念なおもてなしだと思うんです。
まあこれが高級車で、納車される車がそのディーラーで取り扱う1台目だとか、世界限定xxx台の車だとか、というのならまだわかるんですけどね。
ディーラーも悪気があってやってる訳じゃないことは百も承知だけど、僕は花束よりはその分値引き上乗せしてくれるとか、オプションまけてくれるとか、洗車サービス付けてくれる、とかのほうが断然嬉しいです。
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