マクドナルドで急速に導入しているセルフレジ。
その背景には、
・人手不足
がある。
「日本は最低時給が低すぎる!」という世論もあって、東京都の最低賃金が令和5年10月1日から1,113円に引き上げられる。
レジ業務や配膳などの、それほど高いスキルを要求されない仕事の最低賃金を引き上げれば、人件費が増大するので収益性が悪くなる。
そうなると、価格を上げるか機械化にして人件費を減らすかのどちらしかない。
マックは両方を実施して収益性を確保するようだ。
セルフレジはいいのだけど、使い勝手が…
最近、マックの店舗で導入されているのがセルフレジだ。
さすが世界のマクドナルド、40インチはあろう液晶タッチパネルを使ったオーダーパネルは見やすくて立派だ。
しかしである。
使ってみると、セルフレジの操作が中々の手間で面倒臭い。
「店内か持ち帰りか」を選ぶところから始まって、注文が完了するまで10タップ以上の操作が必要なのだ。
しっかり食事するつもりならまだいいが、コーヒー1つでも10タップ以上の操作が必要なのは中々キツい。
途中で
「ご一緒に○○はいかがですか?」
とか
「ご注文は以上ですか?」
とか一々確認が出てくる。
いや、確認するのはシステムとしては当然なんだけど、オーダー完了まで10タップ以上あるということは、判断を10回以上しなければならないということ。
これはご年配の方にはかなり面倒だろう。
後ろに人が並んでいればなおさらである。
そういうこともあって、有人レジ前にの人が少なければ有人レジのほうに行ってしまう。
店員がやっていたオペレーションを客がやる
セルフレジとは、言うなれば店員がやっていた受注業務を客側がやることに他ならない。
「セルフレジは10タップ以上も必要で面倒だ」
と言ってしまったが、マックの店員さんは普段から注文を受けるのに同等の操作をしているということだ。
もちろん店内POSのインターフェースは店員向けにカスタムされているので、セルフオーダー機と同じではないが、客とのやりとりでセルフオーダー機でも必要な情報を取得して入力している。
となると、店員がやっていた作業(の一部)を客がセルフレジでやるわけだから、その分安くして欲しい、と思うのは贅沢なのだろうか。
最低賃金を上げるには機械化・自動化しかない
冒頭でも触れたが、賃金を上げると収益性が悪化するので、以前のような利益を確保するには、
・値上げをする
・人員削減する
しかない。
マクドナルドのような低価格ハンバーガーチェーンでは、仕入や原材料費は元々低い。それを削減するのは厳しいだろう。
近年では20%程度の値上げもすでに実施しているので、残すは人員削減ぐらいしかない。
しかし単に人員を削減しては店舗が回らないので、マクドナルドはさほどスキルを必要としないレジ業務などを機械化して人員を削減する方向に舵を切った。
以前からレジ打ちなどの単純業務は機械化されていくだろう、と言われていたのがいよいよ現実になってきた感じだ。
ファミマもローソンもセルフレジを増やしているし、スーパーもセルフレジのレーンが徐々に増えてきている。
マックのセルフレジはコーヒー一つ買うのも大変だが、人口減・労働力不足の日本で生活する限り、受け入れざるを得ない負担なのだろうか。
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