50代の私が白髪染めをする理由、多くの人が誤解している白髪染めする人の心理とは?

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私は50代後半のITエンジニアで、白髪染めをしている。

私の頭をよく見れば、所々染め残しがあったり、根元が白くなりかけていたりするので「染めている」ことはわかるだろう。

しかし、打合せなどでは40代後半~50代後半と、ある程度は年齢幅をもって(年相応に)見られているようだ。

私は何も、若作りをしたくて白髪染めをしているのではない。

自分なりにいろいろと考えた上で、あえて「白髪染め」という手段を選択している。

今回は、私が白髪を染めるに至った課程を紹介したい。

同年代の方の参考になれば幸いだ。

私が白髪染めをする理由

私が白髪染めを選択した理由は、ひと言で言えば「今後のサラリーマン生活において、年齢不詳である方が有利だろう」という判断からだ。

そう考えるに至った理由を詳しく述べたい。

当初はそのまま白髪を放置していた

私は童顔なこともあってか、40代ぐらいまでは実年齢より5歳~10歳ほど若く見られていた。

30代半ばから白髪がぽつぽつと出始めてはいたものの、50歳ぐらいまではそこまで目立つほどでもなかった。

近くで見ればそれなりにあるが、引きで見ればまだ黒髪の方が優勢、といったレベル。

この年代の男性は、概ねそんな感じではないだろうか。

しかし50代半ばになると、少し上の先輩方、つまり60歳手前くらい世代には、かなり真っ白な白髪頭の人も出てくる。

私は次第に、その方々の社内での評価というか、周囲からの「扱い」が気になるようになってきた。

白髪の人は「○○ですか?」と聞かれる

私の仕事のパートナーに、Aさんというエンジニアの方がいる。

Aさんはパートナー会社に勤務する57歳の管理職兼エンジニアで、高い技術力を持ち、社外の私から見ても「頼れる先輩」的な存在だ。

ただ、Aさんの髪はほぼ真っ白で、若い頃より毛量も少なくなっているため、見た目は60代半ば~70歳手前くらいに見える。

おそらく初対面の人は「定年後に再雇用された優秀なシニアエンジニア」というイメージを抱くだろう。

実際、Aさんと面識のある取引先の方は、打合せ後の雑談でよく、

「○○さんは、何歳までお仕事続けられる予定ですか?」

と、結構な確率で質問している。

それは何気ない、決して悪気のない質問なのだとは思う。

今は60歳ですっぱり引退する人は少なく、年金受給が始まる65歳まで再雇用で働く人が大半だし、定年を65歳に引き上げる会社も増えている。

純粋に、自身の今後のキャリア形成の参考にしたいという気持ちもあるのだろう。

しかしこの質問が出るのは、明らかに見た目が「おじいさん」に見えるからこそ、思わず聞いてしまったのだと思う。

逆に言えば、見た目が年齢不詳の人に対して、わざわざそんなデリケートな質問はしないはずだ。

社内での見られ方

今度は社内の話に移る。

社内でも頭が白いとそれなりの年齢に見られるため、やはり、

「○○さん、定年後の予定はどうするつもりなんですか?」

と聞かれるケースが多くなる。

実はここで、周囲の対応は大きく2つに分かれる。

本人の能力が高いか低いかで、会社側のニュアンスが微妙に変わってくるのだ。

頭髪が白髪で能力が低い人に対しては、会社は「定年を機に退職して欲しい」と思うだろう。

逆に、同じように白髪でも能力が高い人には「定年後も残って欲しい」と思う。

これは組織として当たり前の話だ。

しかし、そのどちらでもない人はどうだろうか。

「能力が低くはないけれど、ずば抜けて高いわけでもない」

という人である。

おそらく、多くの会社員がこのゾーンに該当するのではないだろうか。

もちろん、私もその一人だと自認している。

ここで一つ、ある出来事を思い出す。
部品商社の営業であるBさんは、いつも髪を黒々と染めていた。

もちろん地毛だとは思っていなかったが、やはり髪が黒いと見た目が10歳は若返る。

肌の質感を見れば年相応だと察しはつくものの、髪の黒さにはそれを吹き飛ばすほどの威力がある。

ある日、Bさんと打合せ後の雑談をしていたら「実は私、再来月で定年退職なんです」と言うではないか。

私を含めその場にいた全員が「Bさんって、まだ60歳前後のイメージでした」と驚いた。

人は無意識のうちに「見た目の老け=パフォーマンスの枯れ」というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を抱きがちだ。

この一件は、

髪の毛を染めているだけで、定年直前まで周囲に退職後の心配(詮索)をされずに、現役感を持って仕事ができる

ということを示唆する、非常に興味深い出来事だった。

いつまで現役でいたいか?いつまで働きたいか?

私も30代の頃は、

白髪になったらなったで仕方がない。無理に染めて若作りしたところで、いい仕事ができるようになるわけではない。

と思っていたし、今でも半分はそう思っている。

しかし私の場合、下の子が生まれたのが40歳のときだった。子供が大学を卒業するのは、最短でも私が62歳のときになる。

幸い、私の勤める会社は定年が65歳なので、子供が社会に出るまでは働き続けることができる。ただ、問題は「ポジション」と「収入」だ。

見た目があまりにも老け込んでいると、会社から「そろそろ後進に道を譲って、一歩引いてみてはどうか」と打診されることがある。

一歩引しても給料が変わらないなら構わないが、普通は下がる。

給料を下げられた上で、モチベーションの維持が難しい「後進の育成ポジション」に就かされるのは、正直言ってやりきれない。

だが仮に、髪を黒く染めて一定の実力をキープしていれば、現在のポジションに留まれる可能性は高くなる。

絶対に替えがきかないほど突出した実力がある人なら、見た目など1ミリも関係ないだろう。

しかし、「ダメ社員ではないが、ずば抜けた天才でもない」という普通~普通プラスαレベルのビジネスパーソンであれば、見た目を若々しく「年齢不詳」にしておくことで、あからさまな肩たたきを回避できる確率は上がる。

AさんやBさんに対する周囲の反応を見るにつれ、私のこの仮説は確信へと変わっていった。

つまり、人間の心理には、

白髪:見た目がおじいちゃんで、枯れていくイメージ

で、

黒髪:見た目に活力があり、まだまだエネルギッシュなイメージ

というステレオタイプが、無意識のうちに影響しているのだ。

これらを総合して、私は次のように考えた。

白髪染めをして見た目を年齢不詳にしておくことは、サラリーマンとしての自己利益を最大化する戦略の一つではないか?

実際、白髪染めを始めてからは、社内外から定年後の予定を詮索される頻度が明らかに減ったように思う。

番外:海外出張の頻度

もう一つ、私が白髪染めを続ける現実的な理由に「海外出張」がある。

私は年に数回、中国の深圳に出張する機会がある。

深圳といえば、香港の北側に位置する中国の経済特区であり、人口1,200万人以上を抱える最先端の発展都市だ。

「中国のシリコンバレー」とも呼ばれ、IT企業が集中する街には若いエネルギーが溢れている。

現地に行って真っ先に感じるのが、この街にはとにかく「高齢者がいない」ということだ。

電車やタクシーに乗っても、街の屋台やレストランに入っても、頭が白い人を見かけることがほとんどない。

ホテルもタクシーも街の屋台もレストランも、白髪の人が働いているのを見かけることがない。

そんな若者の街に、白髪頭で放り込まれると、目立って仕方ががないのである。

昨年、私より年下だが結構な白髪の同僚と一緒に現地へ行った。すると、日本にいるときにはまず経験しないような、電車で席を譲られたり、通りすがりの人から凝視されたりといった「お年寄り扱い」を頻繁に受けることになった。

訪問先の担当者と昼食をとった際にその理由を聞くと、多くの若者は親を地方の地元に残して深圳へ出稼ぎにきており、いずれは地元に戻って親と暮らしたいと考えているそうだ。

生活コストの高い深圳に親を呼び寄せるのではなく、二重生活をしながら稼ぎ、時期が来たら故郷へ帰る。そうした街の構造ゆえに、シニア層が極端に少ないのだ。

総合的に判断して「白髪染め」を選択している

最近TVで、女性芸能人がグレイヘアを公然とする姿が話題になっているが、無理に黒髪を維持するより、グレイヘアであるほうが自然だ、というのはわからなくもない。

しかしそれは、唯一無二の芸能人であるからこそ出来ることである。

他人の評価に左右されない地位の人、例えば芸能人や個人事業主、会社役員などはグレイヘアであることでのマイナスはあまりない。

しかし雇われ人はどうだろうか。

サラリーマンでも、唯一無二の実力を持った人や大手企業で役職を外れても十分な給与、退職金が保障されている人は白髪など気にしなくてもいいかもしれない。

私は平均以下のパフォーマーではないとは思っているが、かといってずば抜けたエンジニアではない。

どこにでもいる凡庸なエンジニア兼管理職である。

そんな私が白髪染めをするのは、定年まで自身の給料を下げないための、ささやかな年齢カモフラージュである。

白髪染めしなくても結果は変わらないかもしれないが、やらないよりはマシなら、家族のためにもやっておくべきだろう、という判断である。

もし私に子供がいなかったら、収入面のこだわりはそこまで大きくなくなるので、白髪のまま過ごすことを選択していたと思う。(お金は欲しいが)

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