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中国国境で旅遊ビザを取って深センに行ってきた(香港経由)


先日、半分仕事、半分観光で深圳に行ってきたのだが、コロナ前とちがってビザ関係が若干面倒になっていたので、備忘録を兼ねて書いておきたい。

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現在の香港・深圳のビザ状況

新型コロナ蔓延前は、日本人はビザ無しで15日間まで中国滞在が可能だったのだが、2024年9月の時点では、何らかの入国ビザを所持していないと中国に入国できない。

中国の入国ビザを取得するには2つの方法がある。

1.在日本中国大使館でビザを申請する(発行に1週間程度かかる)
2.中国国境でトランジットビザを申請する(比較的簡単)

数ヶ月以上滞在する駐在員なら1しかあり得ないが、数日間滞在するだけのために1を申請するのは労力に見合わない。

ということで僕のような数日間だけ滞在する旅行者は2を目指すことになる。

このトランジットビザの中に滞在場所、日数が限定で発行される「特区旅遊ビザ(E)」というものがある。

深圳の場合は、深圳市内に5日間のみ滞在可のビザだ。

今回はこのビザを使って深圳に訪問してきた。

事前にいろいろ情報を調べたのがだが、2020年以降、人の流れが制限されていたせいか情報があまりなくて難儀した。

深圳へのルート

今回は下記ルートで中国入りした。

  • 香港国際空港から香港入国
  • 空港からA43バスで地下鉄(MTR)の上水駅へ
  • 上水駅から羅湖駅へ(一駅)
  • 羅湖口岸(香港側イミグレ)から香港出国
  • ビザセンターで深圳 旅遊ビザを申請・取得
  • 羅湖口岸(中国側イミグレ)から中国入国
  • 羅湖口岸は地下鉄でアクセスできるので、事前情報では「日によってはすごく混む」との情報が多く、確実に深圳に入りたかったら比較的空いている皇崗口岸(ファンガン)がベター、との情報が多い。

    しかしホテルを羅湖区の老街にあるホテルを予約したので、羅湖口岸から入ることに。

    最悪ダメだったら、上水に戻って皇崗口岸へバスで行くルートをエスケープルートにすればいいと考えた。

    実は深圳に訪問するのは10年振り2回目。

    前回は香港在住経験のある同僚と一緒だったので、どうやって行ったのかほとんど記憶に無い。

    前回、なんとなく羅湖(ローウー)から入ったような記憶があるのでホテルを羅湖区で予約した、という単純な理由。

    旅遊ビザ取得についていろいろと調べて見ると、

    ・1日の発給数に制限がある

    とか

    ・場合によっては深圳入境出来なくて香港に戻るハメになる

    といった情報があった。

    本当か嘘かわからないが、もし本当だったら翌日のアポが飛んでしまうので、朝一に口岸に着けるよう香港エクスプレスUO623便(羽田発1:00~香港着4:40)で移動することにした。

    香港国際空港到着~入国

    香港への入国はビザ不要なので大したことはないのだが、この後の中国入境時に必要な書類をもらうので注意喚起しておく。

    香港国際空港のイミグレーションで係官がパスポートに挟んで返される小さい紙がある。

    かつては、香港入国時には係官がパスポートにスタンプを押していたが、2013年頃からスタンプを省略する代わりに入国チケット(通称landing slip)が渡されるようになった。

    このランディングスリップは、後述の特区旅遊ビザ取得時に必要となる超重要書類なので、絶対に絶対に紛失してはいけない。

    ランディングスリップはパスポートにただ「挟んだ」状態で渡されるので、移動中に不用意にパスポートを開くと、落としてしまったり、カバンの中でどこかに行ってしまったりすることがある。

    僕は香港国際空港で入国した後は、パスポート、入国カード(の写し)、ランディングスリップはまとめて小袋に収めて書類が紛失しないように注意した。

    羅湖(ローウー)口岸を目指す

    まず最初のミッションは、前回の記憶を辿りながら香港国際空港からA43のバスで(香港MTR(地下鉄)の上水駅まで行くこと。

    香港国際空港に定刻に到着し、入国手続きやら荷物のピックアップをして、空港のセブン・イレブンで10年前のオクトパスカードをアクティベート&チャージ。

    ちなみにカードに現金を入れることは”Charge”と言わず”TOP-UP”と言う。

    10年前に余っていた60HKDをトップアップしようとしたら「50HKD単位でしか出来ないよ」と店員に言われる。(誰だよ、セブンなら任意の金額をトップアップ出来るって書いてたブログは)

    とりあえず50HKDを入れて、前回の残高と合わせて200HKDまで残高を増やしたのでこれでバスに乗れる。

    A43上水駅行きのバスは始発が7:00、それまでに到着ロビーにある「滝のディスプレイ」前のベンチでしばし休憩。

    ここのベンチで休みつつ、スマホのSIM入れ替えとかAPN設定とかを済ませておく。

    中国に関しては「SIMは現地で買えばよい」なんて思っちゃダメだ。

    短期旅行者は日本で必ず「香港で使えるSIM」を買っておくこと。

    中国国内でしか使えないSIMだと、gmail, googleマップ, LINE, Facebook, Instagram等々、西側で当たり前のサービスが軒並み使えなくて確実に死ぬ

    僕は出発前にAmazonで、中国本土、香港、マカオで使える8日間/10GBのプリペイドSIM(2,480円)を購入した。

    大事なことなのでもう一度言う。

    旅慣れていなければ、「香港と中国本土で使えるSIM」は必ず日本で用意しておくこと。

    A43バスで上水へ

    6:40ぐらいになったので、バスターミナルに向かう。

    ちなみにバスターミナルのチケット売り場は、7時前だと全てクローズしている。

    なので僕のように7時台のバスに乗る人は、クレカ決済ではなく空港でオクトパスカードを買おう。

    オクトパスカードを買うのにApple Payは使えるようだが、Google Payは使えない。

    なのでAndroidユーザは、レートが悪いかもしれないが空港の両替で円を香港ドルに替えよう。3千円程度をHKDに替えれば十分だ。

    上水駅行きはA43かA43P系統のバスになる。

    平日の7:00にA43バスに乗るのは、僕以外には3~4名程度、全て外国人だった。

    さっきトップアップしたオクトパスカードをタッチする。30.9HKD(620円ぐらい)

    バスにはUSBの充電ポートがあるので、Type-A~Type-Cケーブルがあれば充電できる。

    香港エクスプレスの機内には充電ポートが無いのでこれは有り難かった。

    途中の停留所から通勤客?がそこそこ乗り込んでくるので、満席にはならないが全ての列に誰かが座っている、ぐらいに人が乗る。

    上水(Shin-sui)駅に到着するとほとんどの乗客が降りるので、あまり迷わないだろう。

    バスを下りるときはオクトパスカードをタッチしなくてよい。

    上水駅から羅湖駅まで一駅だけMTRに乗る

    上水駅から国境の駅「羅漢(ローウー)駅」までは一駅だけ地下鉄(MTR)に乗る。

    香港の地下鉄はVISAカードがあればVISAタッチで乗れるのだが、A43バスからそのままオクトパスカードでMTRに乗ると少しだけ割引があるので、この区間はオクトパスカードで乗車する。(上水~羅湖: 24HKD)

    この上水駅は羅湖行きと落馬洲(ラックマーチョウ)行きの2つの電車が交互にくるので、乗り間違えないように注意。

    ホームの液晶案内板に次にくる電車がどこ行きか出ているので確認しよう。(日本の電車のように車両側面にLEDで行き先表示がされないので注意)

    5~6分で終点、羅湖駅に到着。

    香港出境

    ※ここから先は国境ゾーンになるため、あまり写真がありません。

    ホームを降りると、人の流れに沿っていけば自動的に改札出口、香港側イミグレーションに流れる。

    日本人はここでは外国人なので「外国人(Foreigner)」のゲートに向かう。

    無人の機械式ゲートがあるので、パスポートの写真がある面を下にして読取りさせる。

    やり方がわからないときは近くにいる案内係に聞けば親切に教えてくれる。

    ここで注意が必要なのは、パスポートを機械に読み取らせるときに香港国際空港のイミグレーションでもらったランディングスリップを紛失してしまうこと。

    係員が気づいてくれればいいが、落としたことに気づかずに通過すると、その後の旅遊ビザ申請で詰むので注意しよう。

    パスポートセンターへ行く

    多くの香港人・中国人はそのまま中国側イミグレーション(入境)に向かうが、日本人は特区旅遊ビザを取得するためにパスポートセンターへ行く。

    香港を出境して少し歩くと、左手に「口岸签证 Port Visa」というサインが見えるので、そのエスカレータを上がる。

    行き過ぎると中国側のイミグレーションなので気づくと思うが、もしわからない場合はそのあたりにいる係員に聞こう。簡単な英語なら理解してくれる。

    上に上がると、申請書が置いてある台があるので、そこに見本を参考に申請書を記入する。

    渡航目的は「華強北, SHOPPING」とした。

    今回の目的の半分はファージャンベイでのガジェット探しだから理由としては正しい。

    ちなみに渡航目的を”BUSINESS”とした場合、「正規の商用ビザ取ってきて」と言われるかもしれない。

    100%ビジネスで訪問する人は、面倒でも事前に在日中国大使館で商用ビザを取得しよう。

    申請書を書き終えたら、隣にある写真撮影ボックスで顔写真を撮る。(無料)

    残念ながら日本語の案内はないが、英語の説明も簡単だから迷わないだろう。

    タッチパネルでパスポート番号を入力して撮影すれば終わり。

    後はビザオフィスのオープン(9:00)のを待つだけ。

    火曜日の朝、8:30ぐらいだったので、僕の他には欧米人が2人、それと台湾人?と思しき女性2名の計5名だった。

    結構早めについてしまったので、香港国際空港のバスは7:00発ではなくその次の7:30発でも良かったかもしれない。

    ビザセンターで申請する

    ビザセンターは8:55ぐらいになると、入り口のシャッターが開いて、受付番号の発券機の電源が入れられる。

    そうしたら発券ボタンをタッチして受付番号を取得する。

    一番最初に来たのでNo.1だった。

    その番号札と申請書、パスポートと香港国際空港でパスポートに挟んであったランディングスリップを窓口に提出する。

    書類を確認すると、おもむろに「Pay Money!」と言われるので、クレジットカードで手数料(130RMB=2,600円ぐらい)を支払う。

    待つこと20分ほどで番号が呼ばれる。

    窓口に行くと、パスポートの1ページいっぱいに貼られた「特区旅遊ビザ」を晴れて受け取った。


    (なぜかこの後の中国入境時に係官に斜線を引かれる…)

    中々面倒臭いが、一つ一つやっていけばなんてことはない。

    中国側イミグレーションで中国入境する

    エスカレーターを降りてまっすぐ進むと、中国側のイミグレーションが現れる。

    そこの手前のテーブルに入国カードがあるので、改めて記入する。

    さっき特区旅遊ビザを取得するときに書いた申請書の内容とダブるが、お役所仕事なので仕方が無い。

    入国カードとパスポートを持って外国人レーンに並ぶ。

    平日朝の9時半なのでそんなに人はいないものの、一人一人時間を掛けてチェックするので進みが遅い。

    自分の番が来て係官に入国カードとパスポートを渡すと、顔とパスポートを何度も見られる。

    そして顔画像撮影、両手指紋取得されたかと思うと、係官はおもむろにさっき取得した特区旅遊ビザに斜線を入れ、パスポートを返した。

    ついさっき、面倒な想いをしてようやく取得した特区旅遊ビザがものの10分で斜線?そういうものなのか、、、とモヤモヤしながら、税関を抜けて晴れて深圳に入境した。

    10年振りの深圳へ

    ついに深圳に入境。

    この時点で10時ぐらい。

    深夜便での移動に加え、バス移動、地下鉄、慣れないビザ取得、イミグレーションでの緊張から解放されて、急激に眠気が襲ってくる。

    しかし今日の宿泊地である老街駅まで行かねばならない。

    老街は羅湖駅から地下鉄1号線で2駅である。

    しかし深圳の地下鉄は乗る前に空港のような金属探知機の通過と、全ての手荷物のX線検査が必須だ。

    言われるがままに荷物を通すと、何やらカバンの中身を出せという。

    中国語が分からないので何と言われているのかさっぱりわからないが、どうやらバックパックの中のペットボトルを出せと言ってるようだ。

    飲みかけのミネラルウォーターを出すと、機械の上に乗せて内容物をチェックして返された。

    まんま空港の手荷物検査である。

    手荷物検査を通過したら、日本でインストールしていたアリペイで交通系QRコードを出し、改札機の読取り口にかざすとゲートが開いてちょっと感動。

    これで深圳市内の地下鉄はトークンを買わなくてすむ。超絶便利だ。

    実は今回の渡航で一番心配していたのは中国国内でのQR決裁だった。

    使うSIM、アプリの設定、クレジットカード、どれか一つ欠けると使えない。

    しかも日本でお試し決裁ができないので、現地で試すしかなく、実際につかってみるまでドキドキである。

    5分ほどで老街に到着。

    ホテルは駅前のZTLホテル。

    チェックインは12時からだが、余りに疲れていたのでダメモトでフロントに聞いてみたら、部屋が空いていればアーリーチェックインOKとのこと。

    これは非常に有り難かった。

    日本のホテルだといくら予約があっても午前中にチェックインしてくれるところはまずない。

    中国は意外とこういう融通が利くので個人的には好きである。

    メチャクチャ疲れたので、夕方まで仮眠。

    香港~深圳入境のまとめ

    今回、一人で香港~深圳に行ってみてわかったことを挙げておく。

    特区旅遊ビザの1日あたりの発行上限数

    「特区旅遊ビザは1日の発行数が決まっている」といった話がネット上にあるが、多分ウソ。

    発行数は特に決まっておらず、申請者数が多いとビザセンターの営業時間(9:00-17:00)中に発行処理が終わらないため、打ち切られるようだ。

    例えば、平日に急に団体が申請するようなことがあると、一気に窓口が混むので申請処理が滞るようだ。

    なので、アポイントメントがあるような旅程なら、ビザセンターに朝一に到着するなど、旅遊ビザの取得が確実になるような旅程を組むべきだろう。

    香港でオールキャッシュレスはまだ無理

    香港~深圳旅行で一番面倒なことは香港ドルと人民元の2種類の通貨を用意しなければならないことだ。

    当然、外国の通貨なので両替時には手数料が取られるし、小銭は円に戻せないので一定数のお金は無駄になる。

    しかし2024年現在、中国国内はほぼキャッシュレス化が実現できていたため、外国人でもアリペイかWeChatPayにクレジットカードを紐付ければ、キャッシュ(人民元)を使う必要が一切ない。

    実際、今回の旅行では中国国内は全てアリペイで決裁できたので、生の人民元に一度も触ることが無かった。

    一方香港ではオクトパスカードという日本でいうところのSUICAが普及しており、鉄道・バス・コンビニなどは全てオクトパスカードで決裁できる。

    しかし、このオクトパスカードにトップアップ(チャージ)するには現金が必要で、クレジットカードから直接トップアップができない。

    香港国籍や香港に正規ビザで居住している人であればスマホアプリでチャージできるが、外国人だと無理。

    また、香港のタクシーの中にはキャッシュオンリーのタクシーもあるので、乗る前にオクトパスかクレカが使えるか確認しよう。

    ということで、オクトパスカード用に香港ドルがいくらか入れておくのがいいだろう。

    実際にやってみれば一つ一つは大したことは無いのだが、久しぶりの海外で一人旅で、しかも翌日のアポイントメントのことを考えるとあまり失敗できないプレッシャーもあって、大変だった。

    でも今回、一連の流れを経験できたので、次回からはもっとリラックスして対応できるかと思えば、下調べを兼ねた旅程だったと思う。

    これから行かれる方で、聞きたいことがあればコメント欄でお知らせください。

    知ってる範囲で回答します。

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