最近、海外で行われる日本代表の会場で、試合終了後にサポーターによるゴミ拾いが話題になることが多い。
海外でスポーツ観戦した人なら知っていると思うが、観客はゴミを足下に捨てるのが一般的なので、試合終了時には足下はゴミだらけになる。
ゴミだけでなく、ポップコーンの破片やこぼしたビール、ジュースも散乱する。
マナーが悪いと言えばそれまでなのだが、かの地ではそれが普通であり、試合終了後に清掃員ががさっと清掃するので特に問題がない。
しかし日本人客、特にサッカー日本代表のサポーターは、試合終了後に自分たちの客席のゴミを拾い、清掃した後に退場したことが海外メディアに取り上げられ「さすが日本人だ!」と話題になった。
それ以降、海外での代表試合ではサポーターによるゴミ拾いがよく行われるようになったが、個人的にはどうにもモヤモヤ感が拭えない。
親切の押し売り
スタジアムでの客によるゴミ拾いって、綺麗にしてから帰ろうというよりも「(ゴミ拾いする)日本人スゲー」と言われたいがためにゴミ拾いしているんじゃないかという気がするんですよね。
もちろん、心の底から「飛ぶ鳥、後をを濁さず」と思って掃除する人もいると思うんですけど、そういう同調圧力に従っている人も少なくないよなと。
そうは言っても「実際に海外の人に賞賛されるんだからいいじゃん」という人もいると思うんだけど、では、他国のサポーターが日本人のゴミ拾いを真似するようになったといった話は聞いたことがない。
海外の賞賛って
だと思うんですよ。
スタジアムの清掃員も、日本人サポーターのところは掃除しなくていいので「ジャパニーズ、掃除してくれてありがとう」と感じているとは思うけど、もしスタジアム全体が
というルールになったら清掃員は大幅に削減されてしまう。
いやいや、そもそも決められた場所にゴミを捨てられる国民性なら大量の清掃員はいなかっただろう。
外国人が絶賛する日本の異次元サービス
来日する外国人観光客がこぞって絶賛するのが日本のサービスだ。
よく言われるのが「正確な電車の運行時刻」や「丁寧な接客」だろう。
外国で買い物をすると、店員の態度にビックリすることがよくある。
店員はガムを噛みながら何も言わずにバーコードを読取り、ぶっきらぼうに合計金額を告げて袋を放り投げる感じだ。
最近はレジの表示を見ろと言わんばかりに何も言わない店員も普通にいる。
それが普通の接客である国から来日すれば、うやうやしく対応するコンビニ店員を見て驚愕するのは、ある意味当たり前である。
しかしである、この日本のサービスは従業員の犠牲の上に成り立っているということを忘れてはいけない。
そもそも、私たちは接客態度でコンビニを選んだりするだろうか?
家の近所なら多少はあるかもしれないが、出先で飲み物を買ったりする程度なら店員の態度なんてあまり気にしない。
数百円の買い物に店員の態度は影響しない。
これが自動車ディーラーや中古車販売店だったら話は違うだろう。
高い買い物だし、これからも整備や点検で付き合いがあるのだから店員の態度は重要だ。
つまり、日本は無駄に接客が丁寧な店が多いのだ。
コンビニやファストフード店は長く付き合う店ではない。
フランチャイズとしては贔屓にすることはあるが、○○店の接客が好きだから行く、というのはあまりない。
にも関わらずバカ丁寧な接客を実現しているのは、スタッフの犠牲の上に成り立っているからに他ならない。
とは言え、「雑に接客すればいい」と言ってる訳ではない。
無駄に丁寧な接客は不要、と言っているだけだ。
提供する商品、サービスの価格に見合った接客をすればよい。
量販店の店員に店の入り口まで見送りされて、深々とお辞儀されるのはやり過ぎだろう。
コメント