Google Pixel Buds Pro2を2ヶ月使用してみた感想を書いてみたい。
アンボックスしたときのレビューからいろいろ違いが発見できたので、ストレートに書いてみる。
アクティブノイズキャンセル性能について(ANC)
使い始めは、Jabra 85tのノイキャン性能とさほど変わらないか、やや良いぐらいかな、と感じていたいが、使って行くにつれて、Jabra 85tよりもANC性能が高いことがわかった。
というのも、以前はソファーに寝っ転がってJabra 85tで映画やYoutubeを見ていても、妻から声を掛けられれば気づいていたが、Pixel Buds Pro2ではほぼ気がつかない。
あまりに気がつかないのでたまに怒られるぐらい、そのぐらい外音に対してのキャンセル性能が高い。
なので動画コンテンツに帯する没入感が凄い。
この違いは、Jabra 85tがセミオープン型に対して、Pixel Buds Pro2は完全密閉のカナル型なので、ノイキャンに関しては有利なのだろう。
逆に言えばセミオープンであそこまでノイズキャンセル出来ていたJabraの作り込みは凄い。
それだけにJabraがTWSイヤホン市場から撤退したのがつくづく惜しまれる。
でもこのカナル型の強力なノイキャンも慣れると癖になる。
特に新幹線や航空機での出張時には外音の遮蔽感が素晴らしいので手放せない。
あまりに外音の遮蔽感と、それにともなう没入感がすごくて乗り過ごしそうになるぐらい。
音質
もちろんメーカーによって音作りが違うので、一概に善し悪しを語れないのだが、11mm径のドライバーは強烈な音楽マニアでも無い限り、ほぼ全ての人を満足させる音質だと思う。
店頭でSONY WF-1000XM5やBOSE QuietComfort Ultra Earbudsを試してみたが、確かに性能は高いが、価格も高いので、どこでバランスするかは考えどころではある。
Jabra 85tユーザだった僕にしてみれば、12mm -> 11mm径の違いはあれど、音楽試聴に関しては何の問題も感じられない。
Pixel Buds Pro2アプリでもEQ設定できるし、音楽視聴アプリ(Poweramp)側でもEQ設定やプリ設定ができるので、ドンシャリだろうがカマボコ、フラットだろうが如何様にでも音が作れる。
通話
この2ヶ月間、仕事でも使い倒してみた。
特に1日に少なくとも1回、多い日は4以上、Web会議を行ったが、音質的には全く不満なし。
当初は自分の発言が自分の耳に聞こえなくて、Jabra 85tにはあった「側音取り込み機能」が無いのかと思った。
が、さすがにそんなことはなく「会話検知機能」をONにすることで、自分が発言するときに自動的に外音取り込みモードに切り替わり、自分の声をイヤホンに取り込むことができる。
Jabra 85tは、通話時は側音の取り込み量をアプリで設定できる仕様だったが、Pixel Buds Pro2は、発言時の音声を自動で認識して外音取り込みモードに切り替わる仕様だった。
Jabraに慣れていたので最初は戸惑ったが、慣れればこれはこれで便利な機能である。
Jabraの仕様だと、Web会議(通話モード)のときは常に側音取り込み状態なので、カンファレンスやウェビナーなどの「ほぼ聴講」しているときでも外音が取り込まれてしまうのだが、Pixel Buds Pro2は自分が発言していないときはノイキャンが効いているので、聴講に集中できる。
そこまでしっかり聴かなくてもいい会議(失礼)で流し聞きするときは、手動でノイキャンをOFFにすればよい。
操作性
Pixel Buds Pro2の操作はタッチ操作であるが、今までJabraの物理スイッチ、クリック感に慣れていた身にすると、タッチ操作は使いづらいの一言である。
指を前方にスライドで音量アップ、後方へスライドで音量ダウン、ダブルタップで曲送り、トリプルタップで曲戻しであるが、歩きながら指でスライドさせようとすると、指にひっかかってイヤホンを落としそうになる。
駅のホームでイヤホン落としそうになってヒヤっとしたことが数回あった。
それ以来、ビビりな僕は駅のホームでイヤホン側での音量操作はしないことにしている。
曲送りのダブルタップも力加減が難しくて、タップ時の爆音というか「ボン!ボン!」という刺激が結構耳にくる。
とは言え、このイヤホンの大きさに物理スイッチを付けるのは設計的にかなりチャレンジだし、タッチセンサーのほうが実装コストが抑えられるのは理解できる。
まあ、しょうがないね。
ヒアリングウェルネス
Pixel Buds Pro2アプリには「ヒアリングウェルネス」という聞き慣れない項目がある。
これは、聴覚の健康維持を目的としたもので、要するに大音量で音楽を聴き続けることを予防するアプリの機能である。
再生中・通話中の音量をデシベル(dB)で表示し、聴覚に対して安全な音量かどうかを視覚的に伝える機能だ。
面白いのは、累積オーディオ音量を過去24時間、過去1週間分を表示して、聴覚が危険な音量に曝露されていないかを定量的に表示してくれる。
僕の場合、通勤時の音楽試聴、休憩時の動画視聴で、24時間の累積でも暴露限度の1%と、思ったより低くて驚いた。
「耳は消耗品」と思っているので、こういう定量的に表してくれる機能はすごく有り難い。

唯一の不満
Pixel Buds Pro2の性能には概ね満足しているが、一つだけ不満を上げるとすると「ケースのバッテリー残量を知ることができない」だ。
ケースを開けて、スマホと接続したときに、スマホ側にイヤホンのバッテリー残量が出るのだが、ケースのバッテリー残量が出てこない。
何かのタイミングなのか、たまに「左○○%、ケース○○%、右○○%」と表示されることはあるのだが、能動的に知る手段が無いのが残念である。
アプリ側でイヤホン左右のバッテリー残量を表示しているのだから、ケース側のバッテリー残量も表示してくれればいいのに、と思ってしまう。
今後のアップデートでサポートされることを期待したい。
【2025/9/15:追記】
イヤホンケースを開けて片方だけ取り出し、その状態でスマホ画面を見ると
とケースのバッテリー容量が表示されるようだ。
なぜかもう片方のイヤホンを取り出すと
とケースのバッテリー容量表示が消える。
そのまま表示してくれればいいのに。
【2025/10/6:追記】
2025年9月下旬から配信されているアップデート(4.467)で、この問題が解消されたようだ。
常にケースバッテリーの残量も見えるようになって、精神衛生上、非常によろしい。
他にもアダプティブオーディオ機能(周囲の音に応じて、動的に雑音を除去する)やヘッドジェスチャー機能(頭の動きでメールやメッセージを読み上げたり、拒否したりできる)が追加されたりと、割と盛りだくさんな機能アップがなされている。
購入した製品がソフトウェアのアップデートで機能が進化していくのは、まるで別の製品を購入したみたいで、なんか楽しい。
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